目黒ストーカーバラバラ殺人事件
事件概要

2016年9月20日、東京都目黒区の会社員 中元志織さん(当時24歳)が、勤務先を無断欠勤し連絡が取れなかった事を心配した中元さん勤務の会社が、目黒署に届け出たが中元さんの所在は不明であった。

殺害された会社員 中元志織さん(当時24歳)

 

警視庁は25日、中元さんがストーカー被害を受けていた、元交際相手の無職 佐賀慶太郎(当時50歳)を任意で取り調べを行い、事件が発覚した。
佐賀は9月17日に中元さん宅で喧嘩になり、中元さんの手足を粘着テープで縛り、室内にあった果物ナイフで刺した後、中元さん宅の近くで購入した包丁を使い、浴室で中元さんの遺体を10箇所程に切断し、9月17〜20日頃にかけてレンタカーを使い、埼玉県戸田市の荒川や千葉県野田市の利根川に遺体を遺棄したほか、中元さん宅の排水溝に遺体を流すなどをした。
実際に中元さん宅の下水道から肉片が発見されたが、川に遺棄された遺体は見つかっていない。
佐賀が犯行を認めたため、目黒署は殺人、死体遺棄容疑で逮捕した。

犯人の無職 佐賀慶太郎(当時50歳)

 

 

 

背景

中元さんと佐賀は2015年11月頃、中元さんのアルバイト先で客と店員として出会い交際するようになる。
この頃、佐賀は結婚していたが翌年の9月に離婚している。
2人は2016年3月頃まで、大田区にあった佐賀のアパートで同居していた。
しかし5月頃までに別れており、中元さんは事件のあった目黒区のマンションに引っ越していた。
その後、中元さんは佐賀からストーカー被害を受けるようになる。
7月には中元さんに暴力を振るい、佐賀は暴行の疑いで埼玉県警川口署に逮捕されている。
佐賀は罰金10万円の略式命令を受け7月27日に釈放された際に、中元さんに近づかないとする書面わ川口署に提出させられる。
川口署は中元さんと警視庁目黒署に経緯を説明し、目黒署は中元さんと連絡を取り合うようになる。
佐賀はその後も偽名を使って中元さんのアルバイト先に連絡し呼び出したり、女装をして中元さんのマンションの前で待ち伏せするなどストーカー行為を続けており、中元さんは目黒署にストーカー被害を相談する。
目黒署は中元さんに住居や連絡先を変更するよう指導するが、引っ越し代金を工面できないと話し、また佐賀から行政書士を通じて交際時に支払った現金の返済を請求された事を打ち明けた。
その他、中元さんは佐賀のストーカー行為について、事件の1週間前まで目黒署に相談していたが、目黒署は実家やホテルへの避難を助言するばかりだった。
佐賀は8月に内容証明郵便で「交際時にかかった200万円を返せ。」と要求したが、中元さんは見に覚えがないため弁護士を通じて送り返しており、目黒署の指導で弁護士に対応を依頼していた

佐賀はこの事に怒り直接話しを付けようと考え、事件前日の9月16日夜に女装して中元さんのマンションで待ち伏せする。
中元さんが帰宅すると部屋に押し入り、借金を返せとガムテープで手足を縛り、怒って果物ナイフで刺し中元さんを殺害する。
その後、遺体をバラバラに切断し9月17日〜20日にかけて荒川や利根川や中元さん宅の排水溝などに死体を遺棄する。
その後、2日間部屋にとどまり、入念に証拠隠滅を行なっていた。
佐賀は中元さん宅近くの量販店て切断に利用した出刃包丁や遺体を入れるバック、レンタカーを借りている。

中元さんの遺体が遺棄された埼玉県戸田市の荒川

 

 

 

▪警察の対応
今回の事件で警察の対応は不十分であったと言わざるおえない。
佐賀が7月に中元さんに暴力を振るっている事からも、危険人物と認定すべきであった。
8月に200万円返せと要求しているのも、近づかないと書いた誓約書に違反しており、ストーカー加害者としての発想が明らかなので、警察官が直接会って警告するべきだったが、警察は中元さんから相談を受けても警告していない。
9月に、佐賀が中元さんのアルバイト先に出没し、中元さんの事を聞き回っていると相談した際も、警察はアルバイト先から佐賀と思われる男の携帯番号を聞き調べていたが、その対応が遅く佐賀の番号だと把握するまで時間がかかり、担当者が調査内容の書かれたメールを開かなかったため、事件に間に合わなかったという。
危機感が欠如していたがための結果だろう。